小児の外科手術

安心・安全の手術を行います

外科手術とは、つまり観血処置のことです。抜歯・埋伏歯の牽引・外傷による歯牙脱臼・小帯切除・膿瘍の切開・顎骨骨髄炎・腫瘍の摘出・口蓋裂整復手術など、幅広く行います。主な処置としては、歯科医院で行うものと日常的に行うものがあります。

麻酔について

外科手術といえば麻酔ですね。開業医で行う麻酔のほとんどは局所麻酔ですが、術式は特に成人の場合と異なることはありません。事故が起きないよう細心の注意を払いつつも、注射針の刺入時を意識させないように配慮しています。

また、術後の覚醒、薬の名称・処方も明確にし、お子さんと保護者の方へ注意を十分に促しています。

幸いなことに、過去20年間で医療事故につながるようなトラブルは1件もありませんでした。これは、お子さんやご両親がいつも私の話を注意深く真剣に聞いてくださったおかげだと思います。感謝!

以下では外傷、上唇小帯(じょうしんしょうたい)の肥厚(ひこう)および6歳臼歯萌出時に多く見られる歯肉弁切除についてお話をします。

外傷の場合(歯が折れた・歯をぶつけたなど)

外傷の場合(歯が折れた・歯をぶつけたなど)

外傷の場合(歯が折れた・歯をぶつけたなど)

外傷の場合(歯が折れた・歯をぶつけたなど)

治療が可能な場合と不可能な場合があります。写真のような患者さんの場合は消毒・止血をし、レントゲン写真撮影を行います。

診断名 外傷による上顎乳前歯の亜脱臼
理由 歯槽骨の骨折や歯牙に破折線などないが歯牙の動揺が認められる
処置 暫間固定(ざんかんこてい)
写真のようにワイヤーと接着剤とで固定し、1~2週間にわたり予後観察をします。問題なければ暫間固定を外して終了です。

上唇小帯(じょうしんしょうたい)の肥厚(ひこう)

写真(1)

写真(1)

写真(2)

写真(2)

上唇小帯は起始部の口唇より切歯乳頭に向かってはしり、正常な場合【写真(1)】には、歯槽頂部においてほとんど認められません。写真(1)を(2)と比較すると、小帯が歯肉の中央まできているのが分かります。

上顎前歯の萌出遅延・正中離開・切歯の位置異常を招くことがあり、予防矯正上、切断することが望ましいでしょう。また、サ行の発音障害や歯みがきをするときの痛みもあります。

手術時間は約20分です。次の日に消毒し、1週間後に抜糸をして終わりです。

歯肉弁切除(しにくべんせつじょ)

写真(1)

写真(1)

写真(2)

写真(2)

写真(3)

写真(3)

写真(4)

写真(4)

本来は(1)の写真のように歯肉が吸収して歯が萌出しますが、(2)の写真のように何かの拍子に歯肉が吸収しないで萌出する場合があります。食事のときに歯肉を噛むなどして、刺激を受けると炎症を起こします(多くの方が痛くなってから来院されます)。

(2)の写真のような場合は局所麻酔下で(3)の写真の電気メスを使用し、歯肉弁を切除します。(4)の写真を見ていただくと分かりますが、出血もなく、創面もきれいです。ただし、髪が焦げたニオイがします。手術時間は約10分です。次の日に消毒に来て終わりです。